相続税対策になる賢い不動産活用
1.相続税対策に不動産は有利です。
不動産は、すぐに換金できない難点がありますが、相続税評価額を下げ、納税金額を低くするのに一番利用しやすい資産です。相続税評価額は実際の取引価格より2割~3割低額といわれていますし、小規模宅地の特例の適用があれば、下記のような相続税評価額を減額できます。
①特定居住用宅地等は、240㎡まで相続税評価額の80%減額可能
②特定事業用宅地・特定同族会社事業用宅地等は、400㎡まで相続税評価額の80%減額可能
③貸付事業用宅地等は、200㎡まで相続税評価額の50%減額可能
④貸家建付地は、下記の計算式で60%から70%減額可能
2.不動産の相続方法
(1)不動産の相続方法の類型
3.生前対策例(相続税対策にもなります)
(1)贈与税の配偶者控除の利用―贈与の基礎控除と併せて2110万円まで贈与税が無税となります。
(適用要件)
①婚姻期間が20年以上あること
②贈与の受けた配偶者が住む不動産もしくはそれを購入する資金の贈与であること
③贈与を受けた翌年3月15日までに②の不動産に居住しその後も引き続き居住見込みであること
④以前に同一配偶者から特例を受けておらず、かつ贈与税の申告をすること
(具体例)自宅(賃貸併用住宅でもよい)の一部について配偶者控除を適用し妻または夫に生前贈与し、残った土地について小規模宅地の評価減
(2)相続時精算課税制度の利用
適用要件
6000万円×0,6(固定資産税評価額)×(1-借家権割合30%)=2520万円
贈与税は、(2520万円-2500万円)×20%=4万円
そして親との間で定期借地権を設定すれば、土地の相続税評価20%減になります。
(具体例②)資産保有会社の所有建物の大規模修繕工事を実施し、同族会社に多額の損金を計上させ、同族会社の株式評価を引き下げさせた段階で、相続時精算課税制度を利用して低い株価で同族会社株式を取得します。
(3)遺言
(4)同族会社設立による所得分散
(5)会社経営者の節税方法
①従業員持ち株会を作ること。
②合名会社で無限責任社員になること。
③タックスヘイブンの海外に持株会社を設立し、親子で5年を超えて海外に居住すること。
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この記事の監修者
弁護士・税理士・ファイナンシャルプランナー(AFP)
小林 幸与(こばやし さちよ)
〇経歴
明治大学法学部卒業、昭和61年に弁護士登録。現在は第一東京弁護士会所属の弁護士に加え、東京税理士会所属の税理士、日本FP協会認定AFP資格者。
日弁連代議員のほか、所属弁護士会で常議員・法律相談運営委員会委員・消費者問題対策委員会委員など公務を歴任。
豊島区で20年以上前から弁護士事務所を開業。現在は銀座・池袋に事務所を構える「弁護士法人リーガル東京・税理士法人リーガル東京」の代表として、弁護士・税理士・ファイナンシャルプランナーの三資格を活かし活動している。