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遺言に基づいて相続した後妻が、先妻の子から遺留分減殺請求をされた事例

相談者

東京都在住 美月様(仮名)

相談内容

 東京都在住の美月様は、亡夫の遺言書に基づき、美月様と亡夫とが共有していた不動産について、亡夫の共有持分等を相続しました。けれども亡夫と先妻との間に生まれた子から、遺留分減殺請求調停を申し立てられました。
 
 美月様は、別の弁護士に依頼して調停期日を重ねておりましたが、調停が始まってから1年経ってもなかなか解決しませんでした。また、美月様は、依頼した弁護士の、先妻の子供ら代理人弁護士に対する対応に、疑問を持ち始めたことなどもあり、当事務所に来所されました。
 

弁護士の対応と結果

 
 当事務所が受任した当時の主な争点は、美月様と亡夫との共有不動産のうちの美月様の持分が、美月様固有の財産なのか、それとも、実質的に亡夫の遺産として遺留分算定の基礎となる財産額に含めるのかどうかという点でした。
 相手方(先妻の子の代理人弁護士)は、不動産は、美月様の亡夫が築いたものであるから不動産全部を遺留分算定の基礎となる財産額に含めるべきであると強く主張していました。
 
 これに対し、当方では、不動産購資金の中には、美月様の結婚前からの資産や結婚後の収入も含まれていることなどから、美月様持分は美月様固有の持分であり、遺留分算定の基礎となる財産に含めるべきではない旨主張しました。

 結局、共有不動産の美月様共有持分は美月様固有の持分であることを前提に、美月様が先妻の子に代償金数百万円を支払い、不動産の亡夫持分は美月様が取得する、という形での調停が成立しました。

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この記事の監修者

弁護士・税理士・ファイナンシャルプランナー(AFP)

小林 幸与(こばやし さちよ)

〇経歴

明治大学法学部卒業、昭和61年に弁護士登録。現在は第一東京弁護士会所属の弁護士に加え、東京税理士会所属の税理士、日本FP協会認定AFP資格者。

日弁連代議員のほか、所属弁護士会で常議員・法律相談運営委員会委員・消費者問題対策委員会委員など公務を歴任。

豊島区で20年以上前から弁護士事務所を開業。現在は銀座・池袋に事務所を構える「弁護士法人リーガル東京・税理士法人リーガル東京」の代表として、弁護士・税理士・ファイナンシャルプランナーの三資格を活かし活動している。

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