遺言の内容に納得できない場合の対処法を相続に強いベテラン弁護士が解説!

大切なご家族がお亡くなりになり、ご遺族が相続手続をしようと動いたところ、故人が公正証書遺言を遺したことが分かり、遺言書に「全財産を長男に相続させる」「愛人にすべての財産を遺贈する」といった、あまりにも不平等で納得のいかない内容が書かれていたとしたら、そのショックや怒り、将来への不安が生じる相続人も少なくないでしょう。
しかし、ご安心ください。公正証書遺言であっても、残されたご家族の権利を完全に奪うことはできません。遺言の内容に納得がいかない場合の対処法を、解説いたします。
1. 公正証書遺言に納得いかない時の対処法とは?
故人が遺した遺言書が「公正証書遺言(こうせいしょうしょゆいごん)」であった場合、「もう諦めるしかないのだろうか」と絶望してしまう方が少なくありません。「公正証書遺言」とは、法律の専門家である公証人が遺言者の意思を確認して作成し、公証役場で保管される強力な法的効力を持つ遺言書のことです。遺言者自身が手書きする「自筆証書遺言」と比べると、形式の不備で無効になることがほとんどなく、偽造や変造のリスクも全くないため、「公正証書遺言の内容は絶対に覆せない」と誤解されている方が多いのが実情です。 しかし公正証書遺言であっても遺言者の遺言能力が否定されて無効になる裁判例がないわけではありません。
さらに言えば、法的に有効な公正証書遺言であっても、残されたご家族(相続人)の権利を完全に奪うことはできないのです。公正証書遺言の内容に納得がいかない場合、相続人には大きく分けて2つの対処法が残されています。
対処法その1:遺留分侵害額請求(公正証書遺言でも遺留分は奪えない)
まず第1の対抗手段が「遺留分侵害額請求(いりゅうぶんしんがいがくせいきゅう)」です。法律専門用語ですが、遺留分侵害額請求とは「残された家族の最低限の生活を保障するために、法律で定められた最低限度の遺産取り分(=遺留分)を請求できる権利」のことです。この遺留分は、配偶者(夫や妻)、子(または代襲相続人である孫など)、そして直系尊属(親・祖父母)にのみ認められています。たとえ亡くなった方の明確な意思が反映された公正証書遺言であっても、遺留分を侵害することはできません。
例えば、父親甲が亡くなり、相続人は妻乙・長女丙・長男丁の4人というケースで、亡父親甲が「全財産1億円を、長年世話になった愛人戊に譲る」という公正証書遺言を残していたとします。この場合、本来であれば今後の生活資金として頼りにしていたはずの妻乙や長女丙長男丁は、一銭も受け取れず生活不安の危険性があります。このような理不尽な事態を防ぐため、妻乙や長女丙長男丁は、財産を受け取った第三者戊に対して「法律で保障されている私たちの遺留分(最低限の取り分)をお金で払いなさい」と堂々と請求することができるのです。これが遺留分侵害額請求という強力な権利です。
また前述例で亡父親甲が「全財産1億円の内、金4000万円を妻乙に、金5000万円を長男丁に、金1000万円を長女丙に、それぞれ譲る」という公正証書遺言を残していた場合、遺留分侵害請求権を取得できるのは、長女丙だけです。妻乙の遺留分は4分の1(法定相続分の2分の1)長女丙と長男丁の遺留分は8分の1(法定相続分の2分の1)ですから、妻乙の遺留分額が2500万円、長女丙の遺留分額が1250万円となる計算から、遺留分を侵害されたと主張できるのは、長女丙だけになります。
対処法その2:相続人全員の合意による遺言と異なる遺産分割
第2の対処法は、「遺産分割協議(いさんぶんかつきょうぎ)によって、遺言書とは違う分け方をする」という方法です。実は、日本の法律では「家族間の合意」が非常に尊重されます。そのため、遺言書が存在していたとしても、「相続人全員」が納得して合意さえすれば、遺言書の内容を無視して、全く別の内容で遺産を分け直すことが可能なのです。
例えば父親Aが亡くなり、相続人は長男Bと長女師Cの3人というケースで、父親Aの遺言書に「実家の土地と建物は長男Bに、預貯金は長女Cに相続させる」と書かれていたとします。しかし現実には、長男Bはすでに遠方でマイホームを購入しており実家には住む予定がなく、逆に長女Cが実家に戻って親の介護をしていたため、そのまま実家に住み続けたいと希望しているとします。このような場合、長女Cと長男Bが話し合い、「遺言書ではこうなっているけれど、実情に合わせて実家は長女Cがもらい、預貯金は長男Bがもらう形に変更しよう」と全員で合意すれば、遺言書とは異なる柔軟な遺産分割が法的に認められます。
このように、内容に納得できない遺言書が出てきたからといって、すぐに諦める必要は全くありません。残されたご家族の生活と権利をしっかりと守る仕組みがありますので、相続に強い弁護士に相談することを、お勧めします。
注意!遺留分侵害額請求には期限(消滅時効・除斥期間)があります
不平等な遺言書に対抗するために相続人が有する強力な手段として「遺留分侵害額請求(いりゅうぶんしんがいがくせいきゅう)」があることを説明しました。相続人が最低限の権利を取り戻せる法律の仕組みを知り、安堵された方もいらっしゃると思います。 しかし、ここで絶対に忘れてはならない重要な注意点があります。それは、この遺留分侵害額請求の権利には「厳しいタイムリミット」が設けられているということです。
この期限を過ぎてしまうと、どれほど理不尽で不平等な遺言であったとしても、どれほどあなたが経済的に困窮していたとしても、法的に権利を行使することは二度とできなくなってしまいます。「身内のことだから、気持ちが落ち着いてからゆっくり話し合おう」「波風を立てたくないから、数年様子を見てから請求しよう」といった遠慮や先延ばしが、取り返しのつかない致命的な結果を招くケースが、少なくありません。
遺留分侵害額請求の期限には、「1年」と「5年」「10年」の3種類が存在します。 それぞれの具体的なルールを解説いたします。
(その1)相続開始と遺留分侵害を知った時から「1年の消滅時効」
最も注意すべきなのが、この「1年」という非常に短いタイムリミットです。法律上は、「相続が開始したこと(つまり被相続人が亡くなったこと)」及び「自分の遺留分を侵害する遺言や贈与があったこと」を知った日から1年で、遺留分の権利が時効消滅します。
例えば、父親が亡くなり、葬儀などを終えた数ヶ月後に長兄から「親父が『全財産を俺に譲る』という遺言書を遺していた」と告げられたとします。この「遺言書の内容を知らされた日」から、1年のカウントダウンがスタートします。「兄と話し合ってから法的な請求をしよう」などと遠慮しているうちに時間が経過してしまえば、あなたの遺留分を請求する権利は法的に完全に消滅し、1円も受け取ることができなくなってしまうのです。
(その2)遺留分の請求をした後の5年の消滅時効
遺留分侵害額請求の意思表示をすれば、請求権自体の1年の消滅時効にかかることはありません。けれども改正後の民法では、金銭債権は消滅時効が5年になりますから。遺留分侵害額請求が改正相続法で金銭債権だけになる関係で、「遺留分侵害額請求する」という意思表示をして、1年の消滅時効を止めても、遺留分侵害の金額を支払えとは言えなくなる場合もあるのです。
(その3)相続開始(死亡の日)から10年の除斥期間
もう一つの期限は「相続開始かr10年」というものです。これは、「そもそも相続開始(亡くなったこと)を知らなかった場合」に適用されます。例えば、海外に住み親族と交流がなく疎遠だったので両親の死を知らなかった」とします。そして11年後に日本に戻り両親の死と遺言の存在を知った場合、「被相続人が亡くなった日から10年が経過したら、無条件で遺留分の権利は消滅する」という絶対的なタイムリミット(除斥期間と呼ばれます)が適用されます。死後10年以上経ってから両親の死と遺言書の存在を知った場合は、その事実を知ってから1年も経っていなくても、すでに権利を失っていることになります。
消滅時効を止めるための確実な方法を教えます。
では、この消滅時効を止めるためにはどうすれば良いのでしょうか。法律上は、期限内に「私の遺留分を請求します」という意思表示を相手に伝えるだけで権利を守ることができます。すぐに裁判を起こす必要はありません。
しかし、「口頭で伝えた」「LINEやメールで送った」「普通の封手紙で送った」という方法では、後になって相手から「そんなこと言われていない」「手紙なんて届いていない」といわれた場合、裁判所で証拠として認めてもらえず、消滅時効が成立してしまう危険性があります。
そこで必須となるのが「内容証明郵便(ないようしょうめいゆうびん)」という郵便局の特殊なサービスを利用することです。これは、「いつ、誰が、誰宛てに、どのような内容の手紙を送ったか」を、公的機関である郵便局が証明してくれる強力なツールです。遺留分を請求する際には、必ずこの内容証明郵便に「配達証明」を付けて送る必要があります。これにより、「確かに期限内に請求した」という揺るぎない証拠が残り、時効によって権利が消滅するのを完全に防ぐことができるのです。
内容証明郵便をもらった遺留分義務者が、遺留分権利者が支払いを求める遺留分額を遅滞なく支払ってくれれば良いのですが、通常そういうことになるケースは極めて少ないでしょう。内容証明郵便を利用した遺留分侵害額請求の意思表示をしても具体的な金銭請求をしないと5年お消滅時効が進行します。内容証明郵便で具体的な遺留分金額の支払い請求をしただけだと6ヶ月間だけ消滅時効期間が猶予されるだけです。したがって例えば「遺留瓶侵害額として金500万円を1ヶ月以内に支払え」との内容証明郵便を郵送しても支払ってもらえないときは裁判上の請求をしなければならないのです。
3. 不平等な遺言への対処法を弁護士に依頼するメリットとは?
前項までで、不平等な遺言書には「遺留分侵害額請求」などの強力な対処法があること、しかしそれには「1年という短い期限」があることをご説明しました。これらをお読みになり、「権利があることは分かった。でも、財産を独り占めしようとしている親族(あるいは全くの第三者や愛人)に対して、自分一人で戦えるだろうか」と強い不安を感じられた方が多いと思います。
実際、遺産相続をめぐるトラブルは、よく「相続(そうぞく)」ならぬ「争族(争う家族)」と表現されるほど、人間関係が泥沼化しやすいデリケートな問題です。法律の知識を持たない一般の方が、当事者同士で直接話し合いを解決しようとすると、想像を絶する困難と多大なストレスに見舞われることが多いのです。だからこそ、相続問題に強い弁護士を代理人にして対応してもらうことは、単なる法律のサポートにとどまらない、計り知れないメリットが存在するのです。具体的に3つの大きなメリットを具体例とともに解説します。
メリット1:直接交渉による精神的苦痛からの解放(弁護士が盾となります)
最も大きなメリットは、なんといっても「精神的な負担が劇的に軽くなる」ことです。遺産を独占しようとする相手との交渉は、感情的な対立に発展しがちです。「お前は親の介護を全然手伝わなかったじゃないか!」「生前に金銭援助を受けていただろう!」などと、過去の恨み辛みや根拠のない非難を浴びせられることも少なくありません。このような言い争いは、遺族の心を深く傷つけ、日常生活や仕事にまで深刻な悪影響を及ぼすことがあります。
しかし、弁護士に依頼されれば、その日から弁護士があなたの「窓口」となります。相手方との電話、メール、手紙のやり取りはすべて弁護士がするため、あなたは相手と一切直接話をする必要がなくなります。理不尽な暴言やプレッシャーを弁護士という強固な盾でシャットアウトできます。
リーガル東京の依頼者には「夜も眠れないほど悩んでいたが、弁護士に頼んで良い結果となり安心して熟睡できるようになった」と言っていただいた方もございます。
メリット2:財産の調査と、適正な財産評価による「取り分の最大化」
2つ目のメリットは、「相手の嘘を見破り、正当な金額をしっかり回収できる」点です。遺留分を請求する際、相手方は支払う金額を少しでも減らそうとして、自分にとって都合の良い主張をしてきます。例えば、故人の預貯金口座を隠したり、不正に預金引出をして「遺産はこれだけしかない」と嘘をつくケースです。個人でこれを暴くことができないわけではありませんが、手間と時間がかかります。弁護士であれば「弁護士会照会(べんごしかいしょうかい)」という特別な権限を使って、金融機関から取引履歴や預金払戻伝票などを取り寄せ、隠された財産を徹底的に見つけ出すことが可能です。
また、「不動産の評価」において弁護士の腕が最も試されます。不動産の価値には「固定資産税評価額」「路線価」「実勢価格(市場で実際に売れる価格)」など複数の基準があります。例えば、市場で売れば7,000万円で売れる亡両親の家(実勢価格)がある場合、相手方は「相続税評価額で計算すると4,000万円にしかならないから、あなたの遺留分はこの金額をベースに計算する」と主張してきます。法律を知らなければ「そういうものか」と騙されてしまいますが、弁護士は,大手不動産会社や不動産鑑定士等とも連携し「遺留分の計算は一番高い実勢価格(7,000万円)を基準にすべきだ!」と根拠をもって強く反論します。これにより、あなたが最終的に手にできる金額が百万円、千万円単位で増額するケースが多いのです。
メリット3:調停や裁判へ発展した場合のシームレスな対応
当事者同士の話し合い(協議)で解決しない場合は、通常は、家庭裁判所での「遺産分割調停(いさんぶんかつちょうてい)」をすることになります。調停とは、裁判所の調停委員を交えた話し合いのことです。ここで注意が必要なのは、「調停委員は必ずしもあなたの味方ではない」ということです。調停委員はあくまで中立な立場で早期解決を目指すため、法的な主張が下手な方に対して「少しあなたが我慢して譲りませんか?」と不利な妥協を迫ってくることがあります。
もっとも調停は強制力がないため、遺留分に強いベテラン弁護士に依頼すれば、調停申立をしないで、訴訟提起をして訴訟代理人として戦い、依頼者の要求を最大限実現させることができます。遺留分に強いリーガル東京は、安心してお任せいただける弁護士法人です。
4. 相続でお悩みの方はベテラン弁護士のいる当事務所へご相談を
「遺言書で決まっていることだから、自分が波風を立てるべきではないのだろうか」「お金への執着があるように思われたくない」と、ご自身の正当な権利を主張することに罪悪感を感じてしまう優しい方も少なくありません。けれども遺留分をはじめとする法律上の権利は、残されたあなたやあなたの大切なご家族の「今後の生活」と「未来」を守るために、国が明確に保障している正当な防衛手段なのです。不公平な仕打ちに対して声を上げることは、決して恥ずかしいことでも、強欲なことでもありません。
リーガル東京のベテラン弁護士が選ばれる理由とは
弁護士法人リーガル東京は、これまで数え切れないほどの複雑な相続トラブル、特に「不平等な遺言書」に関する問題に向き合い、解決に導いてきた「相続問題に強いベテラン弁護士」がおります。ご遺族様お一人おひとりのご家族の歴史や背景に丁寧に耳を傾け、「なぜこのような遺言が残されたのか」「本当はどう解決するのがご家族にとって最善なのか」という気持ち(感情面)に深く寄り添うことです。その上で、熟練の交渉術と高度な法的専門知識を駆使し、依頼者が最大限納得できる「適正な財産の獲得」と「心の平穏」を取り戻すためのベストな解決を目指します。
充実した無料相談と明確な費用体系で安心を
「弁護士に相談するのは敷居が高い」「相談するだけで多額の費用を請求されるのではないか」と不安に思われる方もいると思います。ご安心ください。リーガル東京では、相続問題の悩みを抱える皆様が気軽に相談できるよう「初回の無料相談枠」を設けております。
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相談でご来所の際には、問題の遺言書のコピーや、手元にある財産の資料(メモ程度でも構いません)、戸籍謄本など家族構成がわかるものをご持参いただければ、ベテラン弁護士が現状を的確に分析いたします。「回収できそうな金額は幾ら位か」「弁護士費用はいくらかかるのか」を、委任契約をする前にお伝えいたします。ご納得いただけないまま依頼を勧めることは一切ございませんので、安心してご相談にお越しください。
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遺留分侵害額請求には「遺言の存在を知ってから1年」という、あまりにも短く非情なタイムリミットが存在します。悩んでいる間にも、あなたの大切な権利が消滅する足音が近づいています。「あの時すぐに弁護士に相談していれば…」と後悔する前に、疑問や不満を感じたその瞬間に動くことが、問題解決の最大の鍵となります。
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この記事の監修者

弁護士・税理士・ファイナンシャルプランナー(AFP)
小林 幸与(こばやし さちよ)
〇経歴
明治大学法学部卒業、昭和61年に弁護士登録。現在は第一東京弁護士会所属の弁護士に加え、東京税理士会所属の税理士、日本FP協会認定AFP資格者。
日弁連代議員のほか、所属弁護士会で常議員・法律相談運営委員会委員・消費者問題対策委員会委員など公務を歴任。
豊島区で20年以上前から弁護士事務所を開業。現在は銀座・池袋に事務所を構える「弁護士法人リーガル東京・税理士法人リーガル東京」の代表として、弁護士・税理士・ファイナンシャルプランナーの三資格を活かし活動している。




















