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【遺言Q&A】認知症の父の公正証書遺言を無効にできますか?

1.結論

結論としては、公正証書遺言であっても、遺言をした人が認知症のために判断能力を有していないとして遺言を無効にできる場合はあります。実際に認知症の遺言者が作成した公正証書遺言を無効と判断した裁判例もあります。

公正証書遺言は、公証人と2名以上の証人が遺言者の面前で遺言者の意思を確認して作成するものですが、公証人や証人は認知症についての専門的な知識・経験を持っているわけではありませんし、公正証書遺言を作成するにあたって、遺言者が認知症であることを公証人に伝えたり、医師の意見書を公証人に提出する必要はありません。

2.遺言者の判断能力

また、公正証書遺言を作成する際には、遺言者自身が遺言内容を詳細に口頭で説明する必要はなく、実際は、遺言者の子ども等が遺言書の案について事前に公証人と打ち合わせをし、公証人がその案を手元に用意した状態で、遺言者に対して「○○の土地は、長男の△△さんにあげるということで良いですか。」などと質問して、遺言者が「はい。」などと肯定するだけでそのとおりに公正証書遺言が作成されるケースが多くあります。

そのため、公証人が「遺言者の判断能力に問題はない。」と判断したとしても、後の裁判で、「遺言者の判断能力は十分ではなかった。」と判断されることはあり得るのです。

もっとも、公証人としては、自分が作成に携わった遺言書が後で無効と判断されては困るので、遺言者が十分な判断能力を有していないと公証人が疑う場合は、公正証書遺言の作成を中止することもあります。そのため、公正証書遺言は、公証人が「遺言者の判断能力に問題はない。」と判断して作成したものといえるので、手書きの遺言書(自筆証書遺言)に比べて、公正証書遺言が無効であると判断されるケースの方が少ないのは事実です。

3.勝訴するためのポイント

このような公正証書遺言の特徴を考えると、遺言が無効であると裁判所に判断してもらうためには、単純に「遺言者は当時認知症だった。」と主張するだけではなく、医療機関のカルテや市区町村の介護認定記録などを証拠として提出し、当時の遺言者の認知症がかなり進行していたことを示す必要があります。

この記事の監修者

弁護士・税理士・ファイナンシャルプランナー(AFP)

小林 幸与(こばやし さちよ)

〇経歴

明治大学法学部卒業、昭和61年に弁護士登録。現在は第一東京弁護士会所属の弁護士に加え、東京税理士会所属の税理士、日本FP協会認定AFP資格者。

日弁連代議員のほか、所属弁護士会で常議員・法律相談運営委員会委員・消費者問題対策委員会委員など公務を歴任。

豊島区で20年以上前から弁護士事務所を開業。現在は銀座・池袋に事務所を構える「弁護士法人リーガル東京・税理士法人リーガル東京」の代表として、弁護士・税理士・ファイナンシャルプランナーの三資格を活かし活動している。

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