【相続Q&A】次の場合、相手方に特別受益があると主張できますか。
下記の①~③の場合
① 相続人の配偶者・子・孫が被相続人から多額の金銭を生前贈与された
② 被相続人が生前、相続人が経営する同族会社へ多額の資金援助をした
③ 被相続人が孫に不動産を生前贈与した後、その孫と養子縁組をした
①相続人の配偶者・子・孫が被相続人から多額の金銭を生前贈与されたというケースについて
特別受益があると主張できる相手方は、「共同相続人」です。「相続人の配偶者・子・孫」は、「共同相続人」ではないので、原則として特別受益を主張できる相手方にはあたりません。
もっとも、例外として、名義上は相続人の配偶者や子、孫への贈与であったとしても、その実質をみると、相続人へ直接贈与されたものと異ならないと認められるような場合には、相続人の特別受益として扱うべきであるとの審判例もあります(福島家裁白河支審昭和55年5月24日家月33巻4号75頁)。
②被相続人が生前、相続人が経営する同族会社へ多額の資金援助したケースについて
資金援助の相手方が、相続人自体ではなく会社なので、原則として特別受益があると主張することはできません。
もっとも、例外として、当該会社が極めて小規模の同族会社で、相続人がその代表者を務めつつ会社の連帯保証人をしているなど、実質的には直接相続人へ資金援助がされたものと異ならないと認められる場合には、相続人に対して特別受益があると主張することができる余地があります。
③被相続人が孫に不動産を生前贈与した後、その孫と養子縁組をしたケースについて
孫は、被相続人と養子縁組をすれば相続人となりますが、養子縁組をする以前では相続人とはなりません。被相続人が生前贈与をした時点では、孫は「共同相続人」ではないので、原則として、特別受益があると主張することはできません。
もっとも、例外として、養子縁組のために予め贈与がなされたような場合には、実質的には相続人への贈与があったものとみて、特別受益があると主張することができる余地があります(神戸家裁明石支審昭和40年2月6日 家月17巻8号48頁参照)。
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この記事の監修者
弁護士・税理士・ファイナンシャルプランナー(AFP)
小林 幸与(こばやし さちよ)
〇経歴
明治大学法学部卒業、昭和61年に弁護士登録。現在は第一東京弁護士会所属の弁護士に加え、東京税理士会所属の税理士、日本FP協会認定AFP資格者。
日弁連代議員のほか、所属弁護士会で常議員・法律相談運営委員会委員・消費者問題対策委員会委員など公務を歴任。
豊島区で20年以上前から弁護士事務所を開業。現在は銀座・池袋に事務所を構える「弁護士法人リーガル東京・税理士法人リーガル東京」の代表として、弁護士・税理士・ファイナンシャルプランナーの三資格を活かし活動している。