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遺留分を放棄するために必要なこと

遺留分とは,一定の相続人のために,相続に際して法律上取得することが保障されている遺産の一定の割合のことをいいます。この遺留分を侵害した贈与や遺贈などの無償の処分は,法律上当然に無効となるわけではありませんが,遺留分権利者が減殺請求を行った場合に,その遺留分を侵害する限度で効力を失うことになります。

相続開始前の放棄

遺留分減殺請求権を行使するかどうかは個々の遺留分権利者の自由に委ねられています。その意味では、遺留分を放棄することも個人の自由の領域に属するかにみえます。

しかし遺留分放棄を無制限に許すと、被相続人や他の共同相続人らの圧迫により遺留分権利者が遺留分権をあらかじめ放棄するように強要されるおそれがあります。

そこで、遺留分の放棄制度が濫用されないように、相続開始前に遺留分の放棄をするためには、家庭裁判所の許可が必要とされています。

東京家庭裁判所の運用では、特段の事情がなければ、遺留分相当金額にちかい財産を生前贈与されるなどしていないと、遺留分の事前放棄を許可しないようです。

遺留分の事前放棄を検討される場合には弁護士に相談されることをお勧めします。

①申立先:被相続人の住所地の家庭裁判所
②申立てに必要な費用:収入印紙800円分、連絡用の郵便切手
③申立てに必要な書類:申立書、被相続人の戸籍謄本(全部事項証明書)、申立人の戸籍謄本(全部事項証明書)

相続開始後の放棄

相続開始後の遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可なしに可能です。

また遺留分の侵害を知ったときに、遺留分減殺請求ができますが、遺留分侵害を知ったときから1年で時効消滅します。相続開始後の遺留分についても弁護士に相談されることをお勧めします。

遺留分放棄の効果

ある遺留分権利者が遺留分を放棄したからといって、他の共同相続人の遺留分は増加しません。被相続人の自由に処分できる財産が増加するだけのことです。

相続が発生した場合には全般的に弁護士に相談されてはいかがでしょうか。弁護士のなかでも特に相続に精通している弁護士に相談することをお勧めします。弁護士事務所のHPなどをみると、相続に精通している弁護士かどうかの参考になるかと思います。

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この記事の監修者

弁護士・税理士・ファイナンシャルプランナー(AFP)

小林 幸与(こばやし さちよ)

〇経歴

明治大学法学部卒業、昭和61年に弁護士登録。現在は第一東京弁護士会所属の弁護士に加え、東京税理士会所属の税理士、日本FP協会認定AFP資格者。

日弁連代議員のほか、所属弁護士会で常議員・法律相談運営委員会委員・消費者問題対策委員会委員など公務を歴任。

豊島区で20年以上前から弁護士事務所を開業。現在は銀座・池袋に事務所を構える「弁護士法人リーガル東京・税理士法人リーガル東京」の代表として、弁護士・税理士・ファイナンシャルプランナーの三資格を活かし活動している。

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