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相続人になれない場合

遺産を巡るトラブルはいつの時代も起こりえますが、高齢化社会の今では特に弁護士などにも多く相談が寄せられています。ほとんどのケースでは特にモメること無く、財産分与の決定がなされますが、中にはやや特殊なケースで財産を受け取れない場合があります。

相続を受けるためには血縁関係というものが重要なキーワードとなります。

そもそも民法では、故人の財産の分配を受けられる権利が、配偶者・子供・両親・兄弟姉妹に限定されています。事実婚や連れ子などといったケースの場合、正式な法定相続人としては認められないケースが多いのです。

しかし、これらの場合でも養子縁組など法的に親族であると認められた場合には相続することが出来ます。また内縁の妻や愛人などといったケースでも、ケースによっては特別縁故者として認められる場合もあります。

内縁関係の場合>>

特別縁故者とは>>

最近ではライフスタイルも多様化し、離婚率も30パーセントと言われるような時代になりました。そうした中ではやはり財産を巡る争いが起きやすい地盤であると言え、実際に高齢化社会の深刻化と相まってトラブルの相談件数も増えてきています。

こうしたトラブルを防ぐためには、事前に弁護士に相談し遺言などで明確に財産の分配を整理しておく必要があります。

相続欠格事由と相続トラブル

財産を残して誰かがなくなると、遺産を遺族で分与することになります。ここでは故人の配偶者や子供など親族関係にある者がその権利を認められていますが、中には親族関係にあるにも関わらず相続人になれない場合もあります。

そのケースとして弁護士などにもトラブルが持ち込まれるのが、民法の相続欠格事由該当者という項目に当てはまるような人物の場合です。これは様々なケースが想定されますが、代表的なものをいくつかご紹介します。

欠格事由該当者とは、遺産を受け取るに相応しくない人物ということですが、例えば故人を殺害した人物などがそれに当てはまります。当然だと思われるでしょうが、しっかりと民法で明記することにより財産目当ての殺害や計画を抑止する目的があるのです。

また遺産を残した故人だけではく、遺産を受け取る権利のある自分以外の人間を殺害した場合にももちろん欠格事由該当者として除外されます。これは実際に死亡させた場合だけではなく、故意に行動を起こして殺害の未遂に至った場合にも同じく欠格事由該当者となります。

遺産が莫大であれば、遺族の間に争いが起きるのはよくあることですが、当然このような欠格事由該当者が現れるようなケースは稀です。大抵の場合は弁護士などを介した話し合いにより平和的な解決が目指されます。

高齢化社会になった日本では、多くの財産を残して無くなるご高齢の方が多くいらっしゃいます。そうした場合には弁護士などを介した法的な手続きによって遺産が遺族に分配されますが、中には遺産を受け取る権利を剥奪される場合があります。

そもそもそうした遺産を相続できる権利は故人の親族関係者にありますが、これらの権利を失効させる行為を行えば当然遺産は受け取ることが出来ません。この行為の代表的なものとしては、遺書の改ざんや破棄が挙げられます。自分に不都合な遺書の内容だった場合、破棄することを思いつく方も中には出てくるでしょうが、もし事実が裁判所で認められれば僅かな財産を受け取る権利も剥奪されます。これは民法上の相続欠格事由該当者と呼ばれる項目に該当するためで、要は遺産を受け取るに値しない人物と法的に除外されることになります。

その他にも故人が生存中、遺書の内容を自分に都合が良いように書くよう脅迫を行った場合にも当然上記のケースと同じく権利が剥奪されます。また故人が生前に家庭裁判所に対し相続廃除の申立をされ、これが認められた人物も当然血縁者であっても遺産を受け取ることは出来ません。

遺産となるとケースによっては莫大な金額になるため、トラブルになりやすく毎年のように弁護士に相談が寄せられています。

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この記事の監修者

弁護士・税理士・ファイナンシャルプランナー(AFP)

小林 幸与(こばやし さちよ)

〇経歴

明治大学法学部卒業、昭和61年に弁護士登録。現在は第一東京弁護士会所属の弁護士に加え、東京税理士会所属の税理士、日本FP協会認定AFP資格者。

日弁連代議員のほか、所属弁護士会で常議員・法律相談運営委員会委員・消費者問題対策委員会委員など公務を歴任。

豊島区で20年以上前から弁護士事務所を開業。現在は銀座・池袋に事務所を構える「弁護士法人リーガル東京・税理士法人リーガル東京」の代表として、弁護士・税理士・ファイナンシャルプランナーの三資格を活かし活動している。

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