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夫が亡くなったときの妻の相続分

1.夫が亡くなった場合、妻は常に相続人となります(民法890条)。

ただし、妻の法定相続分は、他の相続人との組み合わせによって異なります。

相続人が妻と子との組み合わせになった場合には、妻の法定相続分は、2分の1となります。相続人が妻と直系尊属との組み合わせになった場合には、妻の法定相続分は、3分の2となります。そして、相続人が妻と兄弟姉妹との組み合わせになった場合には、妻の法定相続分は、4分の3となります。但し、妻の具体的相続分は、亡夫から生前贈与を受けている場合や、遺言で異なる相続分を指定された場合などには、上記とは異なってきます。

相続が発生した場合には全般的に弁護士に相談されてはいかがでしょうか。

弁護士のなかでも特に相続に精通している弁護士に相談することをお勧めします。当相談室では、後妻と前妻の子との相続問題や妻と夫の両親との相続問題など、さまざまなケースを解決してきました。夫が死亡するケースの妻側の相続対策なども当相談室で相談できます。

2.法改正の動き

日本経済新聞の2015年2月25日の記事によると、相続について配偶者を手厚くする動きがあります。

上川陽子法相は24日の法制審議会(法相の諮問機関)総会で、配偶者の遺産相続を手厚くする民法見直しを諮問した。遺産分割が終わるまで自宅に住めるようにする措置を検討。夫婦が協力してつくった財産については配偶者の取り分を増やす仕組みを採り入れる。1年程度をかけて答申をまとめ、早ければ2016年の通常国会に民法改正案が提出される見通しだ。 配偶者の相続に関する民法改正は、1980年に遺言がない場合の法定相続分を3分の1から2分の1に引き上げて以来だ。高齢化が進み、遺産相続を巡るトラブルが増えるとみられることから、相続分野の民法改正が必要と判断した。ポイントの一つは、住み慣れた家にいられる居住権の保障だ。

自宅に住み続けるためには所有権を取得するか、所有権を取得した人と賃貸契約を結ばなければならない。トラブルが生じ、お年寄りの配偶者が自宅からの退去を迫られるケースがあるという。だれが自宅を相続したかにかかわらず、配偶者が住み慣れた家で暮らせる仕組みにする。遺産分割が終わるまでの間や、1年など一定期間、無償で住めるようにする。

短期ではなく、長期にわたる居住権を保障すべきだという意見もある。相続分そのものを増やす検討も進める。夫婦が協力してつくった財産については「実質的夫婦共有財産」として切り分けてから、残りの遺産を他の相続人と分割する考え方が有力。離婚の際の財産分与と同じイメージだ。共有財産以外の取り分は通常の法定相続分より減らす。高齢になってから結婚しても、財産の維持・形成に貢献していないとみられても、いまの法定相続分は同じだ。婚姻の実態に応じた遺産分割を想定しておらず不公平との指摘があった。

法改正の動きにご関心がある方は、弁護士などにお聞きください。

相続法改正について>>

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この記事の監修者

弁護士・税理士・ファイナンシャルプランナー(AFP)

小林 幸与(こばやし さちよ)

〇経歴

明治大学法学部卒業、昭和61年に弁護士登録。現在は第一東京弁護士会所属の弁護士に加え、東京税理士会所属の税理士、日本FP協会認定AFP資格者。

日弁連代議員のほか、所属弁護士会で常議員・法律相談運営委員会委員・消費者問題対策委員会委員など公務を歴任。

豊島区で20年以上前から弁護士事務所を開業。現在は銀座・池袋に事務所を構える「弁護士法人リーガル東京・税理士法人リーガル東京」の代表として、弁護士・税理士・ファイナンシャルプランナーの三資格を活かし活動している。

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